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わくわくするなにか

船旅のススメ、小笠原旅(前)


人生3度目の小笠原旅行に行ってきた。
学生のときに2回行って、社会人になってからは今回が初めて。アクセスが船に限られていて片道24時間かかるのでなかなか行くまでのハードルが高いけど、やっぱり今回も海や自然が素晴らしくて行ってよかったなと思える旅だった!
今回は姉との2人旅。ちなみに2回目の旅はあそさんとでした。

おが丸乗船記(往路)

小笠原諸島の父島にはおがさわら丸という大型船に乗っていく。通称おが丸。数年前にリニューアルしたらしく、かなり綺麗で快適でした!
まずは私の船旅好きポイントから。

船旅の好きなところ

  • 《移動してる》感をじっくり体感できるところ

飛行機とか新幹線って速すぎて若干ワープした感ありませんか?私はある。特に飛行機!その点船は「移動してるな〜。旅してるな〜。」と感じる時間が長くて、行きは遠くにいくぞー!というワクワク感、帰りは行ってきたぞ!という満足感とちょっとの寂しさをゆっくりじっくり堪能できる。

  • 昔の船旅に想いを巡らせるロマン

もちろん速度とか設備とかは昔と大違いだと思うんだけど、遥か昔に島にたどりついたのも船だったわけで、昔と変わらない交通手段で行くのってかなりロマンを感じる。沖を移動しているときにデッキに出て、360度見渡してもどこにも島影が無く、ただ空と海だけの景色を眺めながらこの状態で島にたどり着く昔の航海って凄すぎると改めて思った。

  • 美しい景色

デッキから見える景色も魅力のひとつ。私が特に好きなのは日の入りと日の出。朝起きるの大変だけど水面に反射する太陽の光や空の色が美しくて一見の価値あり。夜に竹橋を出発する船に乗ると東京湾の夜景を船上から見ることもできる。おが丸は昼に出航するスケジュールなので該当しないけど、八丈島に行く橘丸は夜出発だったな。

  • 船内を自由にうろうろできる

大型船だとデッキに自由に出ることができたり、ラウンジや売店があったりするので船内をうろうろするのがとても楽しい。移動中なのに行動範囲が広い。これは飛行機とか新幹線だと楽しめない部分だと思う。

東京湾から数時間離れると電波が届かなくなってインターネットが繋がらなくなる。ネットが繋がらないなんて……と思う人もいるかもしれないけど、せっかくだから積読を解消しようかな、とか日記書いてみようかな、とか電波が繋がらない間に何をするか考えるのも結構楽しい。

おが丸の過ごし方

今回予約したのは2等寝台。2等には寝台と和室があって、簡単に言うと寝台は二段ベッド、和室はごろ寝という感じ。
その上のランクに特2等とか1等、特等なんかがあって、だんだんゴージャスになっていく。特等まで行くと個室はもちろん専用デッキもあるのだ!憧れる。
出航は浜松町の竹芝旅客ターミナルから。




途中の島の通過時刻とスマホの電波が入るかどうかがわかる表。右の写真は2等寝台。カーテンを全部閉めると個室っぽくなる。
乗船してすぐはまだ船は動かないので、その間に寝床を整えることにした。先人の口コミによると2等寝台のマットは薄くてそのまま寝ると背中が痛くなるらしい。受付で毛布とシーツを追加レンタルして、毛布を折り畳んでマットの上に重ねてふかふか具合を補強。シーツを敷いて肌触りの良さもアップ!(貸し出し毛布は結構ごわごわしている)

なかなかいい感じ。枕元にライトと電源タップがある。
デッキに出て東京湾内をぐんぐん進んでいくのを楽しんでいると、羽田空港が見えてきた。すごい勢いで飛行機がびゅんびゅん飛んでいく。海側から見るとこんな感じなのかと面白かった。
出発から3時間くらいで、

青い空、青い海!
旅っぽくなってきた!
この後はデッキで景色を見て写真撮る→ラウンジでお茶・読書→船内の休憩スペースや自分の寝台で休憩→売店をひやかす、のリピートです。

ラウンジで船内で焼いているというアップルパイとカフェラテ。なんか優雅な感じする。
持ってきた積読をどんどん読み進める。波はかなり穏やかで、最低限の揺れは感じるもののとても過ごしやすかった。

船の窓からの景色、良すぎる。
小笠原名産のパッションフルーツジュースを飲みながら涼しい船内から綺麗な景色見ながらのんびりくつろいでいると、これがしたかったんだ!という気持ちが湧き上がってくる。私へ、働いて旅費を払ってくれてありがとう。私より。

船内レストランでお昼。島塩ラーメンだった気がする。
普通に美味しいラーメンです。ちょっと学食感ある。
船内の物価は陸上とほぼ同じで、船の中だから上乗せされて高いとかはない。これはとてもありがたかった。
お昼はあらかじめ買って持ち込んでもいいと思う。あとは船内に自販機コーナーがあってカップ麺各種が買えるのと、売店で冷凍食品を買うことができるので変な時間にお腹が空いても大丈夫。

あっという間に日の入り。ちょっと雲が出てたけどそれも味ですな。

夕飯も船内レストランで。麻婆豆腐定食です。やはり学食感あり。

暗くなったら屋上の星空デッキで星空観測!ベンチに寝そべってしばらく星空を眺めた。
船の照明が明るくて予想よりは見えなかったけど、それでもとても綺麗だった。(この写真は肉眼で見るより遥かに鮮明に写っています)適当に撮った写真だけどちゃんと夏の大三角形が入ってたのはよかった!
船の照明を消したらどんな感じに見えるのかちょっと興味が湧いた。凄そう。でも階段とかあって足元見えないと危ないし無理だろうな。
ゆっくり星空を眺めていたら潮風と湿気で体がベタベタになったのでシャワーに向かう。シャワー室は男女別でブロックごとに設置してあって、不思議といつ行っても混んでることはなかったな。シャワーブース3つに対してドライヤーが1つしかないのでドライヤーが空いてないことはあった。ドライヤーが空いてなかったら近くの別のシャワー室に行ってみると空いてたりします。
この日はこれで就寝。寝台に横たわると身体に波の揺れを感じた。バウンサーで寝る赤ちゃんってこういう気持ちなのかな?ゆらゆらに集中していたらいつの間にか寝ていた。
翌日は日の出に合わせて5時前に起床して写真を撮りにいった。日の入り・日の出の時間は受付の横に掲示されてるので写真を撮りたい人はチェックしておくといいです。

結構雲が出ていたので太陽見えないかな?と思ったけれど、いい感じに見えた!よかった!雲がモクモクでも船が高速で移動しているのでいい感じに雲の切れ間にさしかかる瞬間がある。
撮影後は船室に戻ってもちろん二度寝です。

二度寝から目覚めて、朝ごはん。ご飯の量がものすごい。ラウンジではトーストとか出してたと思う。
しばらくラウンジや休憩スペースで読書していたら、何やらデッキに人が集まっていた。
行ってみると、海鳥の群れ!

たぶんカツオドリ。水面にダイブして魚を獲っている。こんなに近くで飛行する海鳥を見たのは初めてだと思う。結構長い間船と鳥の群れが並走していた。

おが丸の船内。中央部に階段がある。
そんなこんなでお昼前には父島に到着。長いようで短い船旅だった。
入港時に流れる歌は小笠原古謡の『レモン林』。前の旅で聴いていたからか、歌がかかった瞬間に、これ聞いたことある!って懐かしい気持ちになった。
レモン林

レモン林

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今回はいい感じで船旅を楽しめたけど、過去二回の旅ではあまりエンジョイした記憶がなくて、寝てばかりいたような気がする。学生だった頃の私、船旅の貴重さをわかってなかったな。本の一冊すら持っていってなくて、本当に何をしていたのか謎。

船に持って行ってよかった物

・酔い止め・・・これは絶対持って行かねばならない。アネロンがオススメです。
・本・・・積読の消化にぴったり!
・速乾タオル・手拭い・・・身体と髪は速乾タオル、顔はてぬぐいで拭いていた。タオルや歯ブラシ系のアメニティは無いので持ち込み必須です。でも忘れても船内の売店で買える。
・サンダル・・・船内を歩き回ったりするスリッパ的な役割として便利。
・フェイスマスク・・・デッキは日差しが強いし潮風なので保湿をしっかりしたかった。
UVカット上着・・・デッキは日差しが強い!
・現金・・・船内の売店とかレストランはSuicaか現金。念の為現金があったほうがいい。

父島

1日目


父島へ降り立った我ら。ありがとうおが丸。帰りもよろしくね。
見ての通りとんでもない曇天です。天気予報では滞在中ずっと曇りか雨。出発までの数日間、ありとあらゆる天気予報サイトをチェックして、一番マシな結果だけを信じてきたけど、出発前日についに全てのサイトの予報が曇りと雨になった。ちくしょう!晴れろ!太平洋沖は晴れてたじゃないか!
船を降りると宿のスタッフさんや初日のアクティビティのショップの方がずらーっと港で並んでお出迎え。私たちも荷物を預けてまずは街の観光に繰り出した。
島の唯一の繁華街は港周辺の大村地区。早くもお土産屋さんを見て回った。やはりものすごいギョサン推し。ギョサンとは昔から小笠原の地元漁師の間で使われてたという名物サンダルで、おが丸の売店でも売ってるレベルで推されている。実は竹芝旅客ターミナルでも買えるけど小笠原のお土産屋さんが一番バリエーションが多い気がする。

Bonina


ゆっくりしすぎるとランチの時間が終わってしまうのでお昼ご飯を食べることに。店頭のメニューを見て入ったお店で島魚のポキ丼。このお店なんとなく既視感があって、前回の小笠原旅行で最終日にカレー食べた店かもと思った。今回もお世話になりました。しっかりめの味付けでご飯が進む!ラー油で味変するのも美味しい。

Farm stand cafe(小笠原アイランズ農協内)




デザートは農協内のカフェでパッションフルーツアイスと島バナナチョコレートシェイク。もっと席数増やしてもいいのでは?ってくらい混雑していた。

ビジターセンター


島の歴史や自然のことを学べるビジターセンターへ。もとは無人島でやがて日本人に発見されるも先に欧米系島民がやってきて日本人も住むようになって、戦争に翻弄されて……と今までの流れがよくわかる。展示が充実しているし涼しいしトイレも綺麗だし室内で観光したいときにぴったりの施設。

宿

チェックインの時間になったので扇浦海岸近くの宿へ。なんとここ、2回目の小笠原旅行で泊まった宿です。驚くことに部屋まで同じ。大変エモい。



相変わらずよく手入れされた綺麗なお部屋です。

扇浦海岸

今でこそ毎年夏になると海が見たい、泳ぎたいとウズウズしているけど、そもそも昔は海水浴が好きじゃなくて、海ってめちゃくちゃ綺麗じゃん!海水浴って楽しい!と思えるようになったのは小笠原の海でシュノーケリングをしてから。なので何年経っても小笠原の海はなんか特別感がある。

宿から歩いて5分の扇浦海岸でこの旅の初泳ぎ。このビーチにはあまり珊瑚が無いし派手な魚も少ないけど波が穏やかで休憩できるレストハウスがあったりシャワー、トイレ完備でかなり使いやすい。小笠原のビーチのトイレは結構綺麗で手入れが行き届いている印象。こういう外のトイレってすごい汚かったりでかい虫がいたらどうしようとハラハラしながら使うから本当にありがたい。
波打ち際でしばらく波に揺られていたらレギンス型のラッシュガードの裾と短パン型の水着のポケットにめっちゃ砂が入ってて後で落とすのが大変だった!

ついに1日目はカラッと晴れることが無くて、せっかく到着したのにと残念に思っていたら、なんと

虹が出ていた!しかも二重!
最高!晴れてないとか文句言ってすまんかった!


夜はミニキッチンで自炊!ざるラーメンです。

つづく🛳️